こんにちは、雪月あきら(@snowmoon0328)です。
今回はゼノサーガシリーズの完結編、『ゼノサーガ エピソード III』の感想を書きました。
エピソード3は問題だらけだった前作から様々な要素が改善されたんです。
特に批判が多かったキャラのグラフィック、音楽、戦闘のテンポは大幅に改善されてますよ!
あまりの改善っぷりに当時は感動してしまいました!
問題点も残ってるんですけどね…。
- ゼノサーガシリーズ
打ち切り完結 - エピソード2の問題点を大幅に改善
- ゼノギアスファンへのサービスも
目次
作品情報
製品名:ゼノサーガ エピソード III ツァラトゥストラはかく語りき
対応機種:プレイステーション2
ジャンル:RPG
発売元:バンダイナムコゲームス
開発元:モノリスソフト
発売日:2006年7月6日
CERO:C
画像出典:公式サイト
評価点
グラフィックの大幅な進化

ゼノサーガ3のキャラクターモデリングは個人的にゼノシリーズの中でもかなり好みなデザインです!
前作は女性キャラのグラフィックが酷かったのですが、本作では可愛さが大幅にアップしました!
ゼノサーガ1と2のいいとこ取りをしたようなモデリングです。

エピソード2に引き続き、本作でも下村勇二さんがアクション監督を担当されました。
前作と比べるとおかしな演出はかなり減ったので、純粋にスピード感あふれるアクションシーンを楽しめますよ!
特にKOS-MOSとT-elosのバトルシーンはかなり気合が入ってます!
E.S.の戦闘シーンも前作では軽かった効果音が改善され、重厚感のあるものとなりました。

背景はさらに作り込まれて美麗になりました。
特に終盤に訪れる「惑星ミクタム」の荒廃した雰囲気は廃墟好きにはたまりません!
「フィフス・エルサレム」など、未来の街のグラフィックも細かく作られてます。
ゲームテンポの向上

ゼノサーガ1と2ではロード時間の長さや戦闘のテンポの悪さが問題点でしたが、本作ではどちらも改善されました。
特に戦闘開始時のロードは一瞬!(ボス戦はやや読み込み時間あり)
すぐにバトルを始められますよ!
戦闘はシンプルになった分とてもスピーディーで、必殺技の演出も短めなので非常にテンポが良いです!
それでいて前作の問題点だったカメラワークもしっかりしています。
とても快適なのでサクサクとストーリーを進められますよ!
爽快なE.S.戦闘

E.S.戦もテンポが良く、エネルギーゲージが多いほど連続で攻撃ができるので爽快感があります!
アニマ覚醒時に使用できる必殺技の演出もド派手で威力もかなりのもの!
必殺技でトドメを刺せれば経験値も増加するので(これはキャラ戦闘・E.S.戦闘共通)積極的に狙いたくなりますよ♪
梶浦由記さんの音楽

ゼノサーガ3では全ての楽曲を梶浦由記さんが担当しています。
前作ではクオリティは高いものの、世界観に合っていないという感想をよく見かけました。
しかし、本作ではゼノサーガ1のディレクターだった高橋哲哉さんが徹底的なサウンドディレクションを行ったので、1のような重厚なオーケストラ曲や宗教音楽風の合唱曲が多くなりました。
音楽の使い方も文句無しです!
ボス戦の曲は特に名曲揃いですよ!
中ボス戦の曲や、ある重要な敵のテーマ曲「godsibb」、テスタメントのテーマ、前作の「fatal fight」のアレンジ版が特に気に入ってます!
ただ、本来はCD6枚分の曲数らしいですが、サントラは2枚組みなのでサントラ未収録曲が大量に存在します。
箱舟の曲や「fatal fight」のアレンジ版は収録して欲しかったです(泣)
データの閲覧機能

本作では一度見たムービーやキャラクターを閲覧可能になりました。
ゼノサーガ3もムービーが多いので、お気に入りのシーンを再生できるようになったのは嬉しいポイント!
本作はグラフィックが大幅に向上したので、キャラクターやロボットを閲覧できるようになったのも嬉しいかったです♪
用語集も復活したので分からない用語が出てきても安心ですよ!
ゲストキャラが一時的に参戦

本作ではカナン、ミユキ、アレンがイベントで一時的に参戦します。
今まで生身で戦うことがなかった彼らの活躍を見れるのは嬉しかったです!
彼らしか使えないアーツ技もあるので、一度は見ておきましょう!
ゼノギアスファンへのサービス要素

エピソード1の頃からゼノギアスを思い出す要素はありましたが、特に本作は顕著です。
ジンの服装や特定のボスの見た目はゼノギアスのキャラを連想させるデザインなんです!
ある隠しボスの変形シーンはゼノギアスファンなら興奮すること間違いなしですよ!
不満点&気になったところ
主人公シオンの性格と扱い

おそらくゼノサーガ3で最も批判された点でしょう。
本作の主人公「シオン」は前作にも増してヒステリックで自己中心的な言動が目立ちました。
心配してくれる仲間達に暴言を吐いたりする様子は見ていて気持ちの良いものではありません。
ゼノサーガ1では不幸な過去に負けない力強さを持ったキャラだったのですが、2で脚本家が変わってから内面が退化してしまいました。
とはいえ、彼女が経験してきた不幸を考えればこのような性格になってしまうのも無理はありませんが…。
DS版のように心理描写によるフォローが入れば彼女の評価も変わったはずです。
ストーリー後半で他の仲間達がメインの話になってからは台詞がかなり少ないのも問題です。
DS版の2部分ではJr.がメインの話でも結構絡んできたのですが…。
ある場所でたくさんの人間が殺害されたシーンでも無反応でした。
エピソード1のシオンなら考えられないことです!
彼女は戦闘面でも不遇です。
物理攻撃力は下から2番目で、エーテル攻撃力も特別高くありません。
今まで通り回復技を多く覚えますが、モモやケイオスも回復技を覚えます。
敵を行動不能にさせるためのブレイク技も覚えますが、それもジギーやケイオスの技の方が使い勝手が良いです。
戦闘後の回復要員にしていた方が多いのでは無いでしょうか?
それでも僕はパーティに入れてましたけどね…。
主人公最強主義の僕としてはシオンの異常な冷遇っぷりは大きなマイナス要素です!
説明不足なシナリオ

本作の発売前にエピソード2と3の間のストーリーを描いた『ゼノサーガ エピソード II to III a missing year』というFLASHアニメが公開されました。
この話を見ていないと本編冒頭で何故シオンがヴェクターを退社して、反U.M.N組織である「スキエンティア」に協力しているのかが理解できません。
エピソード1から登場している謎の少女「ネピリム」の正体もこのFLASHアニメで明らかになるので重要度の高いストーリーです!
何故本編に組み込まないのか…。
このアニメは現在では公開終了しているため、ストーリーを知りたい場合はエピソード3の公式コンプリートガイドに収録された小説を読む必要があります。

本編も終盤は仲間達それぞれの因縁の相手との決着シーンを一気に詰め込んでいるので打ち切り漫画のようなテンポで進んでいきます。
個々のエピソードはそこまで悪くないのですが…。
エンディングも多くの謎を残して打ち切りのように終了してしまいます。
本来はもっと丁寧に描写したかったのだとは思いますが、3で完結させなければならなくなったので仕方がなかったのでしょう。
戦闘がやや単調

ゼノサーガ3の戦闘は普通のコマンドバトルに前作までのブーストシステムを加えたようなシステムです。
今までの戦闘と比べると敵によって使用する通常技を切り替えるような要素が無いので戦略性や独自性はやや下がりました。
その代わりとなるのがアーツ(EPを消費する物理技)なのだとは思いますが…。
本作のボスは全体的にHPが高くて倒すのに時間が掛かるのも惜しい点です。
ブレイクさせてから必殺技を叩き込むこと前提の調整なのでしょう。
ザコ戦はかなり早く終わるんですけどね。
効果音の音量が大きすぎる
本作はBGMの音量に対して効果音の音量が大きすぎると感じました。
特にダンジョン内での足音やE.S.戦でのメカの駆動音はかなり響きます。
オプションで効果音の音量を下げることもできません。
せっかく世界観に合った素晴らしいBGMなのに、この仕様のせいでBGMが聴こえにくいのが残念です。
まとめ

- 当時のモノリスソフトの成長っぷりを見たい
- 迫力あるアクションシーンが見たい
- ロボット好き
- シンプルな戦闘システムが好き
- 主人公にイラつきたくない
- ストーリーが打ち切りなのが嫌
- 残酷なシーンが苦手
- ムービーゲーが苦手
前作で批判の多かったキャラクターモデリングや音楽は大幅に改善されました!
戦闘は単調ではあるものの、テンポが良くなったのでストーリーをサクサクと進められます。
モノリスソフトは前作の不満点をしっかり改善してくれるところが好感持てますね!
一方で肝心のシナリオのクオリティは2からあまり改善されていないのが残念でした。
特にシオンの性格や扱いを改悪したのは大きな減点要素!
ゼノサーガ1やDS版では好感が持てる性格だったので余計にそう感じてしまいます。
ゼノサーガシリーズはエピソード3で終了となってしまいましたが、本来はもっと続いていく予定だったのだと思います。
エピソード2がエピソード1のように丁寧に作られていたら、人気シリーズとして続いていったのではないかと思うと残念でなりません。
(しかしそうなるとゼノブレイドシリーズが無くなってしまうような…)
DS版の記事にも書きましたが、ドット絵でも良いので原案通りのゼノサーガをプレイしたいです!
プレイ時間:約30時間
個人的評価:C
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