こんにちは、雪月あきら(@snowmoon0328)です。
今回はPS2ソフト『ゼノサーガ エピソード I 力への意志』をレビューしました。
本作は、現在ではゼノブレイドシリーズで有名なモノリスソフトが最初に開発したゲームです。
ゼノギアスのエピソード1部分の設定を再構築した作品で、その重厚なストーリーが魅力に引き込まれました!
PS2初期の作品としては、映像クオリティの高さも見逃せません!
- 重厚なスペースオペラ
- 戦略的なバトルシステム
- ムービー重視の作品
目次
作品情報
製品名:ゼノサーガ エピソード I 力への意志
対応機種:プレイステーション2
ジャンル:RPG
発売元:ナムコ
開発元:モノリスソフト
発売日:2002年2月28日
CERO:C
開発中のゲーム画面の画像を引用させて頂いているので製品版とは異なる部分があります。
評価点
綿密な設定と重厚なストーリー

ゼノギアス譲りの綿密な設定、独特な台詞回し、宗教色の強い設定などが特徴の重厚なストーリーがゼノサーガの魅力です!
人類の敵である「グノーシス」との戦いやアンドロイド「KOS-MOS」の開発に携わる主人公「シオン」の葛藤が丁寧に描かれてますよ!
キャラクター一人ひとりの設定が綿密に練られているので、エピソード1に限ってはキャラクターを重視する方も楽しめるでしょう。
様々なところに次回作への伏線が散りばめられています。
設定資料集を読んで考察してみるのも面白いですよ!
ムービーの演出が秀逸

PS2初期の作品でありながらムービーの完成度は非常に高いと感じました。
人類の敵である「グノーシス」の脅威が上手く表現されており、人が塩の塊となって砕けるシーンの絶望感は半端無いですよ!
それだけにKOS-MOSのグノーシス掃討シーンの爽快感と興奮は凄まじいです!

意外なところに伏線があったりするので、エピソード3までクリアしてからもう一度プレイすると新たな発見をすることができるでしょう。
まさかU-Tic戦艦にある謎の設計図の完成体がエピソード3で出てくるとは…。
各キャラクターのしぐさも丁寧に描かれており、中には意味深なシーンも…。
ケイオス登場シーンではKOS-MOSが意外な反応を見せますよ!
個性的なキャラクター

エピソード1は各キャラクターの描写が丁寧です。
一人ひとりに見せ場があるので愛着が湧きますよ!
主人公のシオンは過去に不幸な経験を何度もしています。
しかし、それを感じさせない力強さと行動力が魅力的に感じました!
(エピソード1の時点ではですが…)
戦闘用アンドロイドであるKOS-MOSはナムコ(現:バンダイナムコゲームス)の他作品に出張するほどの大人気キャラです!
ゼノサーガは未プレイだけど彼女は見たことがあるという方は多いのではないでしょうか?
彼女の戦闘力は絶大です!
ミステリアスな雰囲気の少年ケイオスはストーリーの重要な鍵を握っています。
謎は多いですが、優しい性格で安心させてくれるキャラです。

敵として登場するアルベドは強烈すぎるキャラです!
彼の言動は色々とギリギリすぎてよくCERO:Cで済んだなぁと思いました(汗)
ボタンの組み合わせとブーストが特徴の戦闘システム
戦闘はゼノギアスのキャラ戦闘を発展させたシステムです。
通常技や必殺技のひとつひとつに属性や相性の良い敵が設定されているので、敵によって技を変える必要が出てきました。
どの敵に対しても強い必殺技の連発になりがちだったゼノギアスのキャラ戦闘から改善されてます!
必殺技は範囲攻撃も追加され、使い勝手が向上しました。
条件を満たせばゼノギアスのように毎ターン必殺技を使えるようになりますよ!
ゼノサーガシリーズの戦闘システムで最も特徴的なのがブーストシステムです。
ブーストゲージを消費することで、行動順を無視して割り込むことができます。
現在では似たようなシステムを搭載した作品もありますが、当時としては画期的なシステムでした!
これを利用すればピンチになった時に、回復エーテルを持ったキャラを割り込ませて迅速に回復することができますよ!
なお、ブーストは敵も使ってきます。
特定の行動を取るとカウンターブーストが発動するボスもいるので注意が必要ですよ!
(カウンターブーストには割り込めません)
光田康典さんの音楽

ゼノギアスの音楽も担当した光田康典さんの重厚なオーケストラ曲は世界観にマッチしております。
一部の楽曲はロンドンフィルハーモニー管弦楽団による演奏で非常に豪華です!
特にグノーシス襲撃時に流れる「Gnosis」は映像に合わせて作曲したわけでは無いとのことですが、ムービーと完璧にシンクロしているのが凄い!
「Ormus」「The Miracle」「Zarathustra」などの合唱曲はグレゴリオ聖歌のような雰囲気があって、宗教色の強いゼノサーガにとてもマッチしていると感じました。
「Shion」「Nephilim」などのピアノ曲も好みです!
民謡「Green Sleeves」のアレンジも印象に残りました。
ヴォーカル曲の「Pain」と「Kokoro」はジョアンヌ・ホッグさんの歌声に癒される名曲ですよ♪
ハイクオリティなサブゲーム
対戦ロボットゲーム「バトリング」やカードゲーム「ゼノカード」はかなり本格的に作られているサブゲームです!
ボリュームを増やせば単体で販売できるほどのクオリティだと感じました。
バトリングはA.G.W.Sを購入すれば使用できる機体が増えるので頑張って購入しましょう!
不満点&気になったところ
イベントムービーが長い

ゼノサーガはいわゆるムービーゲーです!
イベントシーンにとても力を入れているのでムービーが非常に多いのです。
ムービーにする必要がなさそうな日常シーンまでムービーなので全部見ると結構時間がかかります。
会話シーンくらいは普通の会話ウィンドウでも良かったんじゃないかなと思いました。
ただ、ゼノシリーズはストーリー重視のシリーズです。
イベントシーンが長くなってしまうのは仕方がないことでしょう。
ゼノギアスもドット絵のゲームでしたが、イベントシーンが長かったですからね。
ムービーゲーと言うと聞こえが悪いですが、アニメを見ているような感覚で物語を楽しめるという利点でもありますよ!
ゲームテンポが悪い
本作はマップ切替時のロードが長いです。
戦闘時もエンカウントから開始までに少し時間がかかりますし、必殺技の演出が長いのでゲームテンポが悪いと感じました。
必殺技は演出が長い分モーションが凝ってますし、エフェクトも派手で迫力がありますけどね。
当時中学生だった僕は「ムービーのようなグラフィックでバトルができるなんて!」と感動してましたよ!
A.G.W.S(ロボット)の使い勝手が悪い

ゼノサーガには「A.G.W.S」というロボットが存在するのですが、使い勝手が悪いと感じました。
A.G.W.Sでなければ勝てない敵は存在しないのであまり乗る機会がありません。
特定のイベント戦闘以外では戦闘開始時は必ず生身の状態で始まるので、搭乗するのに1ターン消費するのも面倒でした。
入手したての頃は生身よりも強力ですが、A.G.W.S搭乗時に戦闘不能になるとその戦闘では復活できないのでリスクがあります。
ゼノギアスのギアのようにストーリーに深く関わってくるものではないので、普通にプレイしていると愛着が湧きづらいです。
バトリングをやり込んでいる人なら逆に愛着が湧くでしょう!
ストーリーで手に入るA.G.W.Sはあまり使おうとは思いませんでしたが、ある場所で購入できるA.G.W.Sは高価な分かなりの強さですよ!
戦闘・マップ用のBGMが少ない

ゼノサーガ1のBGMはクオリティは素晴らしいのですが、大半がイベントムービー用の曲です。
ムービー用の曲に作曲リソースを割いたのか、宇宙船の中やダンジョンは環境音だけの場所がほとんどです。
(グノーシス襲撃時やラストダンジョンはBGMあり)
環境音だけのマップは独特の雰囲気があり、これはこれで悪くありませんけどね。
戦闘のBGMも通常戦闘とラスボス戦の2曲しかありません。
意図的にそうしているらしいですが、やっぱりボス戦の曲も欲しかったです。
せめて特定のキャラとの戦いではそのキャラのテーマ曲を流せば良かったのではないかと思います。
「Margulis」や「Albedo」は戦闘時に流しても合いそうだし!
戦闘でのキャラ格差

KOS-MOS、ケイオス、Jr.はステータスが全体的に高く、余計な属性が付いていない技がほとんどなので最後まで活躍してくれるでしょう。
しかし、攻撃力が低いシオンや耐性持ちの敵が多い炎属性攻撃ばかりのジギーが弱いです。
特に主人公のシオンはもっと強くして欲しかったです。
シオンは回復や補助など便利なエーテルを覚えますが、他のキャラに譲渡してしまうと戦闘ではお役御免になってしまいました。
エーテル譲渡のシステムが無ければシオンも活躍できたでしょう。
(DS版で改善されました)
ちなみにモモは打たれ弱いのと攻撃性能が低いので使いづらいキャラですが、レアアイテムを入手できる技を覚えるのでボス戦では役に立ちますよ!
まとめ

- 壮大なストーリーにワクワクする
- 映像作品が好き
- キャラクターを重視する
- ムービーゲーが苦手
- 残酷なシーンが苦手
今見るとゲームテンポの悪さやシステムの粗さが気になりますが、それでもゼノサーガ1は発売当時3周もプレイするほど大ハマりしました!
中学生だった当時はムービーゲーが凄く魅力的に感じていたのです。
初めて購入したPS2ソフトだったので、映像の進化に感動しておりました!
ムービーゲーではありますが、その分ストーリーや演出に力が入れられているので映像作品が好きな方にオススメできる作品です。
続編でスタッフが一新されて別物になってしまったのが本当に残念でなりません。
エピソード1かDS版のスタッフで真のゼノサーガを制作して頂きたいですが、今となってはそれも難しいでしょう。
現在はゼノブレイドシリーズがあるのでそちらに期待させて頂きます!
プレイ時間:約30時間
個人的評価:B
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