
こんにちは、雪月あきら(@snowmoon0328)です。
今回は「ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター」の感想を書きました!
本作はシリーズとしては珍しくパーティキャラが全員未成年です。
彼らの成長がワイルドアームズ4の見どころですよ!
戦闘システムも4から一新されました。
- 少年たちの成長物語
- S・RPGのバトルを簡略化したHEXシステム
- アクション要素の強いダンジョン攻略
目次
作品情報
製品名:ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター
対応機種:プレイステーション2
ジャンル:RPG
発売元:ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元:メディア・ビジョンエンタテインメント
発売日:2005年3月24日
CERO:A
画像出典:WILD ARMS the 4th Detonator PlayStation®2 the Best ソフトウェアカタログ
評価点
少年達の成長物語と荒廃した世界観

ワイルドアームズ4は外の世界を知らない少年がひとりの少女と出会うボーイ・ミーツ・ガール的な作品です。
前半はヒロイン「ユウリィ」を狙う敵組織「ブリューナク」から逃げ続けるのですが、その過程で様々な経験を得ることで少年達は成長していきます。
何も知らなかった少年が大人になるというのが本作の物語です。
様々な苦難を乗り越えてたどり着いたエンディングは、エンディングテーマの歌詞も相まってとても感動することができました!
本作の世界は戦争によって荒廃しており、戦争の爪痕が残っている場所が多いです。
そんな過酷な世界で生きる人々の戦いが描かれているので見どころ満載ですよ!
もちろん金子彰史さんの脚本による独特な台詞回しと熱いシーンも健在です!
テンポの良いHEXバトル

前作まではオーソドックスなターン制バトルでしたが、4からはシミュレーションRPGの戦闘を簡略化したようなシステムに一新されました!
HEXという六角形のマスを移動しながら戦います。
誰もいないHEXと仲間がいるHEXなら隣であれば移動できます。
攻撃や魔法はキャラひとりにではなく、1つのHEXに対して行います。
仲間を一箇所に固めれば、回復・補助魔法・アイテムの効果を全員にかけることができますよ!
ただし、敵の攻撃も全員が受けることになるので、状況によって分散させるか集合させるかを考える必要があります。
レイポイントと呼ばれる色のついたHEXに入ると、一部の魔法がレイポイントに対応した属性になり、敵の弱点を突くことができます。
そのレイポイントと逆の属性で攻撃されると大ダメージを受けるので、こちらも注意して利用しましょう!
S・RPGのようなシステムなので一見テンポが悪そうに見えるかもしれません。
しかし、コンビネーションアーツのような大技以外はエフェクトが短いので戦闘のテンポはとても良いです!
良くも悪くも与えるダメージが大きいので、サクサク進みますよ!
魅力的なキャラクター

ワイルドアームズ4のパーティキャラクターは4人とも未成年です。
それゆえに未熟な部分も多いのですが、様々な苦難を乗り越えることで成長していくところが彼らの魅力です!
また、とても仲の良いパーティなので最後まで安心してプレイすることができますよ!
敵組織「ブリューナク」にも濃いキャラは大勢います。
中には外道なキャラもいますが、リーダーの「ラムダ」やユウリィの兄「クルースニク」のように信念を持ったキャラもいるため、敵ながら憎めませんでした!
アニメ調のグラフィック

ワイルドアームズシリーズは今までキャラクターの3Dモデリングが粗めでした。
(3のグラフィックは好きですけどね!)
4ではキャラクターのモデリングが大幅に進化し、イラストのイメージに近づきました!
重要なイベントシーンではボイス付きで迫力あるムービーが流れるので、進化したモデリングを堪能できますよ!
戦闘時もカメラがグリグリ動きますよ!
フレームレートは60fpsなので、動きが滑らかなのも魅力です♪
バラエティ豊かな音楽

ワイルドアームズ4の音楽はシリーズおなじみのなるけみちこさんに加えて、
甲田雅人さん、清水信之さん、鈴木隆太さんが作曲を担当されてます。
今まで以上にバラエティ豊かなサウンドで物語を盛り上げてくれますよ!
なるけさんはテーマソングや戦闘曲など、重要な曲を担当されてます。
熱い曲調の通常戦闘曲「ガンブレイズ」や緊張感のある中ボス戦「臨界強襲・限界突破」、口笛やギターを使用したクルースニク戦「そこに貫く意地は固く」が特にお気に入りです!
テーマソング「空を見上げる君がいるから」はシリーズでも特に好きなヴォーカル曲ですよ♪
甲田さんは町の曲を多く担当されてます。
「静止した村 シエル」は前半はのどかな曲調ですが、後半のパートが物悲しい曲調で印象に残りました。
フィールド曲「over the wind」はワイルドアームズにふさわしいウエスタン風の曲調で、前作までのフィールド曲にも劣らない名曲ですよ!
清水さんは緊迫したシーンで流れる「赤外脅威」や毒に侵された町を浄化するイベントで流れる「碧い軌跡」など、オーケストラ調の曲を作曲されました。
シリーズでは珍しい雰囲気の曲が多めですよ!
鈴木さんの曲はトニー戦の「議会騎士団の亡霊」やベリエール戦の「手招きする秘妖姫」など、電子音を使用した曲が印象的でした。
ムービー曲「撃ちてし止まぬ運命に吠えろ」のようにアコースティックギターを使ったワイルドアームズらしい曲もありますよ!
アクション要素の強いダンジョン攻略

本作のダンジョンはアクション要素が強く、2段ジャンプや落ちているアイテムを駆使して障害を乗り越えます。
ダンジョンのギミックはなかなか凝っているので攻略が楽しいですよ!
アクションゲームが苦手な方には逆に欠点にもなりますけどね(汗)
シリーズおなじみの技「アクセラレイター」は本作ではダンジョン攻略で使用します。
アクセラレイター中はジュードが高速移動することによって、周囲の時間の流れが遅くなります。
これを利用して解く仕掛けもあり、使用中は敵とエンカウントしないのでかなりお世話になるでしょう!
他のキャラはどうやってついていってるんだろう?
不満点&気になったところ
全体的な未完成感
ワイルドアームズ4は開発期間が短縮された影響で、妥協したと思われる部分が多いです。
世界観や戦争の歴史などの設定自体は綿密に練られております。
しかし、本作の発売と同時期に放映予定だった世界観を共有したアニメが中止になってしまった影響でカットされた部分が多いです。
そのため、ストーリーはシリーズの中ではやや短めです。
予定通りにアニメが放送されて、開発期間が短縮されなければかなり濃厚なストーリーになっていたと思うので本当に惜しいです!
それを差し引いても本作のストーリーは好きですけどね!
本作の敵組織「ブリューナク」の幹部たちは濃いキャラばかりなのですが、一回しか戦う機会が無いキャラも多いです。
そのため、他のシリーズ作品の敵組織と比べると印象に残りにくいキャラもいるので勿体なく感じました。
会話シーンもアドベンチャーゲームのように立ち絵で行われることがほとんどです。
せっかくキャラの3Dグラフィックが良くなったのに、イベントシーンであまり活かされないのは残念でした。
これも開発期間短縮によってイベントシーンのモーションを作る余裕が無かったからだと思います。
その分会話シーンのテンポはいいですけどね!
ゲームバランスが悪い

本作は戦闘のバランス調整がイマイチです。
ザコ戦は初期配置がランダムなのですが、運が悪いと開始早々壊滅的なダメージを受けることがあります。
敵味方共に与えるダメージが大きいので、いきなり全滅させられることも…。
ただ、個人的に敵が固すぎるよりはこういう調整の方が好みだったりするので一概に悪いとも言えませんけどね。
本作は全滅しても無限にコンティニューできるのが救いです。
あと、仲間キャラの「ラクウェル」が強すぎます!
素早さが低いという欠点はありますが、与えるダメージが文字通り桁違いの高さで複数回行動できるフォースアビリティ「イントルード」があるのでターンが回ってくれば非常に強い!!
WA4の「イントルード」は強すぎたので、5では消費FPが25から75に変更され、連続使用が難しくなりました。
ワールドマップ廃止

本作はステージ選択式のマップになり、移動の自由度が下がりました。
一本道のステージを通って目的地を目指します。
今までのようにフィールドでサーチを行って町やアイテムを探すといった要素はありません。
前作まではワールドマップがあり、世界中を旅できたので物足りなく感じました。
ただ、本作は逃避行の物語なので、一本道進行になってしまうのはある程度仕方がないところではあります。
まとめ

- 少年たちの成長物語を楽しみたい
- スピード感があるバトルが好き
- 荒廃した世界観が好き
- 大味なバランスのゲームが嫌い
- アクションゲームが苦手
開発期間の短縮による未完成感やゲームバランスの悪さなど、惜しい部分が多い作品です。
十分な開発期間があったらかなりの名作になっていたでしょう!
それでもHEXバトルは荒削りではありますが、テンポが良くて楽しめました。
キャラの成長物語、良質な音楽、アクション要素が強いダンジョンなど、光る部分は少なくありません。
ストーリー重視のRPGを求めている方にはオススメの作品ですよ!
プレイ時間:不明(クリアまで25時間くらい?)
個人的評価:B