
こんにちは、雪月あきら(@snowmoon0328)です。
初代『キングダム ハーツ』よりも過去の時代のストーリーを描いた作品
『キングダム ハーツ バース バイ スリープ』(BbS)の感想を書きました。
本作は外伝作品ですが、シリーズ全体に関わってくる程の重要なストーリーです!
2のファイナルミックス版の追加ムービーで謎だった部分も明かされますよ!
BbSは元々はPSPで発売されたタイトルなので、HDリマスター版では据置機向けに様々な調整がされました。
遊びやすさが大幅に向上しているので、今からプレイされるのであればPS4版をおすすめします!
僕はクリティカルモードでプレイしました。
PS3版もプレイしましたが、PSP版は未プレイです。
- 3人の主人公が登場
- 技や魔法は装備したデッキコマンドを選択して発動
- 初代キングダムハーツから約10年前のストーリー
目次
作品情報
製品名:キングダム ハーツ バース バイ スリープ ファイナルミックス
対応機種:
- プレイステーション2
- プレイステーション3(HDリマスター)
- プレイステーション4(HDリマスター)
- Xbox One(HDリマスター)
- Windows(Epic Games Store)
※赤字は筆者がプレイしたバージョン
ジャンル:アクションRPG
発売&開発元:スクウェア・エニックス
発売日:2017年3月9日(PSP版:2011年1月20日)
CERO:A
登場するディズニー作品
- 眠れる森の美女
- 白雪姫
- シンデレラ
- ヘラクレス
- リロ・アンド・スティッチ
- ピーター・パン
PSP版との違い

【PS3・PS4版共通】
- 画質、グラフィックの向上。キーブレードがより立体的に!
- ラストステージ、ラスボス最終戦のBGMが生演奏で再録音。
- メニュー画面の効果音が従来のものに変更。
- カメラの操作、シュートロック、デッキコマンド送り等の操作方法が変更・追加。
- スタイルチェンジ時に設置系の魔法(「マグネ」や「デトネ」等)が消えなくなった。
- 「ミラージュアリーナ」が一人プレイ専用に調整。
- アビリティ「EXPゼロ」に最低ダメージ補正が追加。
- ファイナルミックス版ベースで音声は日本語。
【PS4版のみ】
- ゲームプレイ時のフレームレートが30fpsから60fpsに変更。動きが滑らかに!
- ロード時間の短縮。PS3版の問題点だったスタイルチェンジやD-LINKの読み込みも一瞬に!
評価点
新要素満載の戦闘システム

バースバイスリープから導入された「デッキコマンド」システムは、チェインオブメモリーズの戦闘を発展させたようなシステムです。
通常攻撃は普通に繰り出せますが、「スライドダッシュ」等の物理技や「ファイア」等の魔法は装備したコマンドから使用する方式になりました。
強力な技を簡単に繰り出せるのが魅力ですね!
一度使用したコマンドはリロード状態になり、しばらく待てばまた使用可能です。
強力な技ほどリロード時間が長いので、よく考えてセットする必要がありますよ!

技を使用してからフィニッシュゲージが溜まるまで攻撃を続けると、「スタイルチェンジ」が発動して通常攻撃が強化されます。
スタイルは様々な種類があり、使った技によってどのスタイルになるのかが決まります。
どのスタイルでもかなり派手で強力な攻撃を行えるようになりますよ!
ゲージがMAXになるとフィニッシュ技が発動し、広範囲の敵に大ダメージを与えることができるので爽快感抜群!!

他にも本作には「シュートロックコマンド」というものも存在します。
R1ボタンを長押しすることで敵を複数ロックオンして強力な攻撃を繰り出せる大技なんですよ!
また、シュートロックによる攻撃中は完全に無敵になります。
ボスが強力な攻撃を仕掛けてくるタイミングで発動できれば、緊急回避手段としても役立ちますよ!
本作は特定のイベント戦闘以外ではひとりで戦いますが、「D-LINK(ディメンションリンク)」によって各ワールドで出会ったキャラの力を借りることができます。
D-LINK中はデッキコマンドがキャラごとに決まったものになり、星型のアイテムを取得して強化できればキャラによって追加効果が発生します。
D-LINK発動時はHPが全回復するので、ケアルがチャージ中で使用できない時にも役に立ちますよ!
このように本作のシステムは多数の要素がありますが、ひとつひとつは解りやすいものとなってます。
初心者から上級者まで楽しめますよ!
中毒性の高いコマンドチャージ

戦闘で使うコマンド(技)は敵が落としたり、ショップで購入することで入手できます。
コマンドにはレベルの概念があり、一定のレベルまで上げれば「コマンドチャージ」でコマンドを合成することができるんです。
これがまた凄くハマるんですよ!
例えば、「ファイア」と「ファイア」を合成させれば中級魔法の「ファイラ」ができます。
「スライドダッシュ」と「ファイア」で「ファイアダッシュ」のコマンドができたりと、様々な組み合わせがあるので色々試したくなりました!
コマンドチャージを重ねていくごとに強力なコマンドに成長していきますからね!
また、コマンドチャージ時に特定の素材アイテムを使用することでコマンドにアビリティが付加されます。
そのコマンドのレベルをMAXにすればアビリティを習得でき、コマンドを外しても効果が発揮されます。
組み合わせが分かっていれば、序盤から「ラストリーヴ」や「リーフベール」などの便利なアビリティを習得することも可能ですよ!
本作はほとんどのアビリティをこのコマンドチャージで入手するので、様々なアビリティを手に入れるために戦闘しまくりでした!
3人の視点で描かれるストーリー

バースバイスリープは初代キングダムハーツから10年ほど前の物語です。
キングダムハーツ2で謎だった鎧やシークレットムービーに関しても本作で明かされますよ!
本作には3人の主人公が存在します。
世界中に「アンヴァース」と呼ばれる魔物が出現したことで、3人はアンヴァース討伐のためにディズニーワールドへと旅立ちます。
1人のキャラをクリアした時点では明かされない謎も多いのですが、3人全てクリアすることで、ストーリーの全体が見えてくるという構成です。
1つのワールドに掛かる時間は他の作品よりも短く、1人辺り10時間程度でストーリーをクリアできるのでテンポが良いと感じました!
魅力的なキャラクター

主人公はヴェントゥス、テラ、アクアの3人!
3人はキーブレード使いで、深い絆で結ばれてます。
どのキャラも正義感が強くて仲間想いの好感が持てるキャラですよ!
友達との繋がりは本作の重要なテーマです。
3人は別々に旅をしますが、どのキャラも友達の事を気にかけるシーンが多いため、3人の絆の強さを感じることができました!
それぞれのラスボス戦は胸が熱くなること間違いなし!
また、ディズニーワールドで出会ったキャラとも友達になり、D-LINKで戦闘時に力を借りることができるようになります。
システムとシナリオがマッチしているところが魅力ですね!
3人の作曲家によるBGM

バースバイスリープの音楽は3人体制での作曲で、下村陽子さんだけでなく石元丈晴さんと関戸剛さんも作曲に参加されてます。
大半の曲は下村さんが担当されてますが、石元さんと関戸さんもキングダムハーツの雰囲気にピッタリの曲を作ってくれました!
下村さんの曲は各キャラのテーマ曲や、生演奏のヴァイオリンを多用した戦闘曲が印象に残りました!
シークレットエピソードで流れる通常戦闘曲とボス戦の曲は緊張感があって特にお気に入りです♪
石元さんの曲はヴァニタス戦の「Enter the Darkness」が疾走感があってお気に入り!
ある曲のメロディが入っているので、勘の良い方は彼の正体がなんとなく予想ついたかと思います。
関戸さんの曲は特定のボス戦や印象的なムービーで流れる「Black Powder」が特に印象的でした。
壮大なオーケストラ調の曲でバトルやイベントムービーを盛り上げてくれますよ!
美麗なグラフィック

バースバイスリープは元々はPSP作品ですが、数あるPSP作品の中でも特にハイレベルな3Dグラフィックだと感じました。
HD版ではかなりブラッシュアップされ、元がPS2作品である本編シリーズ2作にも劣らないクオリティになりましたよ!
特にPSP版ではペラかったキーブレードはモデリングし直され、立体感が増しました。
豊富なミニゲーム

- すごろくのような「コマンドボード」
- レースゲームの「ランブルレーシング」
- リズムゲームの「リズミックアイス」
など、様々なミニゲームが存在します。
どのミニゲームもかなり作り込まれているので、たまには息抜きにプレイしてみるのも良いでしょう!
しかし問題点も…。
不満点&気になったところ
改善の余地が多いシステム

バースバイスリープの戦闘システムは、デッキコマンドやシュートロックなどの新システム自体はよくできています。
しかし、細かい粗も多いと感じました。
ゲージが溜まると繰り出せる「フィニッシュコマンド」は、ほとんどが地上用の技です。
そのため空中の敵に対して使用すると攻撃を外してしまうことが多々ありました。
フィニッシュコマンドは全て空中の敵にも対応していて欲しかったです。
BbSにはアクセサリーやドーピングアイテムが無いので、攻撃力や防御力を上げる手段が武器とレベル上げくらいしかありません。
本作にもアクセサリーがあれば、各ステータスを上げたりアビリティを追加したりできたでしょう。
本作の自動ロックオンは癖があり、正面の敵に攻撃しようとしているのに後ろの敵に攻撃してしまうことが何度もありました。
本編シリーズではこんなことはなかったので、しっかりと調整して欲しかったです。
カメラが2と比べるとキャラに近いのも不便でした。
視野が狭いため、死角から攻撃されてしまうことが多かったからです。
PSP版の頃は解像度の関係であまりカメラを引くとキャラのグラフィックが潰れてしまうので仕方ありませんが、PS4版ではもっとカメラを引けるようにして欲しかったです。
面倒な敵が多い

バースバイスリープは敵が全体的に硬めだと感じました。
特に大型の敵やボスはなかなか仰け反らないので、攻撃中に反撃を受けてしまうことが多かったです。
ボスによっては通常攻撃のコンボを最後まで決めることができないので、チマチマ削ることになってあまり爽快感を得られません。
デッキコマンドを使ってほしくてあえてそういう調整にしたのかもしれませんが…。
また、やたら遠くに飛んでいってしまう敵や、遠くから遠距離攻撃してくる敵も攻撃を当てづらいので厄介です。
おそらくはシュートロックコマンドを使って欲しくてそのような敵を作ったのでしょう。
しかし、ゲージが溜まってなければ使えませんし、遠くの敵を倒せたとしても落としたアイテムを拾いに行くのが面倒でした。
敵のバリエーションが増えたとも言えますが、1や2にはこのような面倒な敵はあまりいなかったので気になりました。
キャラの格差

3人の主人公には性能にも個性がありますが、それゆえに格差も気になります。
癖のない性能で操作しやすい「ヴェントゥス」、強力なコマンドや全方位ガードが魅力の「アクア」と比べると、パワータイプの「テラ」は性能面で不遇です。
彼は攻撃後にスキがあり、回避技「スライド」に硬直時間があります。
本作は激しく動き回る敵が多いので、スキの多さは致命的なのです。
専用のコマンド技に単発のものが多いのも不遇なポイント。
本作は最低ダメージ補正が低い関係で、高難度モードでは単発の威力よりもヒット数の多さの方が重要なんです。
序盤はそこそこ大きかった攻撃力の差も、終盤では専用コマンドの性能などで縮まってしまいました。
硬い敵ばかりでなければ彼も活躍できたでしょう。
中盤のミニゲーム強制

ストーリー中盤で訪れるワールドで強制的にミニゲームをやらされます。
それだけならまだ問題は無いのですが、高得点を出さないと先に進めないのです。
ミニゲームによっては苦手な方もいるでしょう。
僕はレースゲームが苦手なのでテラ編でやることになる「ランブルレーシング」は何度も挑戦しました。
一回のレースが長い上に勝てないと思っても中断できず、下位のキャラには速度に補正がかかるので逆転されやすいです。
おまけにテラは他のキャラよりも扱いづらいです。
こんなところでも不遇なのか(泣)
イベントでは他のキャラにショートカットとなるルートを使われないだけまだ救いがありますけどね。
「リズミックアイス」もリズムゲームが苦手な方にはキツいでしょう。
ミニゲームがあること自体は素晴らしいのですが、イベントでは負けても先に進めるようにするか難易度を大幅に落として欲しかったです。
まとめ

- ストーリーを重視する
- お手軽に強力な技を使いたい
- 色々合成するのが好き
- オリジナルキャラに興味がない
- 同じワールドに3回も訪れるのが嫌
キングダムハーツBbSの戦闘システムは完成度が高かった2と比べると粗い部分もありますが、それを差し引いても新要素が多くて楽しめました!
友達との絆を感じられるストーリーも魅力的です!
総合的なクオリティはシリーズの中でも高めなので、アクションRPG好きの方にはオススメの作品です!
初代キングダムハーツよりも過去の物語なので、本作からプレイしてもあまり問題はありません。
(PS4版なら基本的に初代からプレイすることになるとは思いますが)
BbSで登場したキャラは、次回作以降の作品にも関わってきます。
キングダムハーツ3をプレイする予定の方には是非プレイして頂きたい作品です!
プレイ時間:37時間
個人的評価:A
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