
こんにちは、雪月あきら(@snowmoon0328)です。
今回はプレイステーション2時代を象徴するRPG
『ファイナルファンタジーX』(FF10)の感想を書きました!
FF10は東洋風の世界観による独特な雰囲気が魅力の作品です。
特にストーリーの完成度は僕がプレイしてきたゲームの中でも上位に入るほどだと感じました!
キャラや音楽も魅力的なので、FFシリーズの中では本作が一番好きです!
バトルの難易度もバランスが良く、わかりやすいシステムなので多くの方が楽しめるでしょう。
リニア進行のゲームですが、寄り道要素も豊富に存在します。
そんなFF10の魅力を伝えたいです!
僕はPS2版(インターナショナル版)とSwitch版をプレイしました。
今回はSwitch版のレビュー記事となります。
携帯モードでプレイしましたが、画質は充分綺麗に感じましたよ!
日本語ボイスでプレイするのは初めてだったので新鮮に感じました♪
- 東洋風ファンタジーの世界観
- 父と子の愛を描いたストーリー
- じっくりと考えて戦えるカウントタイムバトル
目次
作品情報
製品名:ファイナルファンタジーX(内容はインターナショナル版がベース)
対応機種:
【オリジナル版】
- プレイステーション2
【HDリマスター版】
- プレイステーション3
- プレイステーション4
- プレイステーション・ヴィータ
- Xbox One
- ニンテンドースイッチ
- Windows(Steam)
※赤字は筆者がプレイしたバージョン
ジャンル:RPG
発売元:スクウェア・エニックス
開発元:
- スクウェア(オリジナル版)
- Virtuos(HDリマスター版)
発売日:2019年4月11日(PS2版:2002年1月31日)
CERO:C(PS2版はB)
PS2版との違い

【全リマスター版共通】
- 画質・グラフィックの向上。画面比率も16:9に変更。
- メインキャラの3Dモデルを一新。
- 91曲中、60曲のBGMがアレンジ。
- インターナショナル版ベースで音声は日本語。
【PSVita版・Switch版携帯モードのみ】
- 移動時に画面をタッチすることでクイック回復が可能。
- 戦闘時に画面をタッチすることで召喚獣の演出短縮の設定が可能。
【PS4版以降】
- サブキャラクター、モンスター、マップのグラフィックが更に向上。
- BGMはオリジナル版とアレンジ版のどちらかを選択可能。
- ロード時間の短縮。
評価点
感動的なストーリー

FF10のストーリーや世界設定は綿密に練られてます。
序盤から伏線がしっかり張られているので、2周目をプレイすると新たな発見もありますよ!
主人公ティーダは機械文明が発達した街「ザナルカンド」から1000年後の世界「スピラ」に飛ばされてしまいます。
「スピラ」は不死身の怪物「シン」に脅かされています。
シンの恐怖から人々を救うため、召喚士ユウナが「究極召喚」を手に入れることが本作の旅の目的です。
ティーダにとっては自分の時代に戻る手段を探す旅でもあります。
スピラには彼が知らないものがたくさん存在するので、戸惑ってしまうシーンが何回もあります。
何も知らない世界に飛ばされることでプレイヤーが主人公に感情移入しやすくなる構成は見事だと感じました!
ユウナを守りたいという気持ちや真実を知ってショックを受けるシーンには思わず気持ちがシンクロしてしまいましたよ!

ティーダは有名なブリッツボール選手である父親ジェクトを嫌っていますが、その親子の確執も見どころの一つです。
一方でユウナは偉大な父親ブラスカを尊敬しているところも良い対比になっていると感じました。
父と子の愛も本作のテーマの一つと言えるでしょう!
ジェクトの不器用な愛には感動させられました!

常識を疑う大切さを描いているところも個人的にポイントが高いです!
FF10の世界では「エボン教」という宗教が広まっていて、人々は厳しい戒律を守らなければなりません。
人々が機械に頼りきった生活をしていたため、人間の罪の象徴であるシンが生まれたという言い伝えがあるからです。
だから機械の使用を禁止し、質素な生活を心がけることが大事だというのがエボンの教えであり、スピラでの常識です。
禁じられた機械を使用する「アルベド族」は、掟を守らないせいで差別を受けることも…。
そんな常識にティーダは疑問を抱きます。
「そういう掟だから」で済ませるのではなく、何故それが悪いのかと自分で考えることは現実世界でも重要なことだと感じました。
東洋風の世界観

RPGと言えば西洋風の世界観のゲームが多いですが、FF10はアジアンテイストの世界観です。
キャラクターの服装や建物、壁や床などに描かれている模様は東南アジア風のものが多いです。
その独特な雰囲気に引き込まれてしまいました!
スピラでは機械の使用を禁じられているので、ザナルカンドと比べると機械文明がほとんど発達してません。
その分豊かな自然や牧歌的な雰囲気を感じることができるでしょう!

グアドサラムや異界のように幻想的な風景の場所も存在します。
その美しさには思わず見惚れてしまいました!
魅力的なキャラクター

パーティキャラはどのキャラも好きになれました!
主人公のティーダは見た目はチャラいですが、仲間想いの性格と若さゆえの青臭さが気に入りました。
ヒロインのユウナは清楚な雰囲気の女の子ですが、何でも一人で抱え込もうとするので守ってあげたくなります。
他のパーティキャラも魅力的ですよ!
- スポーツ選手だけど筋金入りのエボン信者なワッカ
- 怒りっぽい性格だけど優しい一面もある姉御肌のルールー
- 寡黙な性格のロンゾ族キマリ
- 渋さが魅力だけど熱い一面もあるアーロン
- ムードメーカーのアルベド族リュック
どのキャラもそれぞれ見せ場があります。
各キャラは欠点もしっかりと描かれているので、ゲームキャラでありながら人間らしさを感じられました!

旅の途中で出会う人たちの中にも魅力的なキャラは何人も存在しますよ!
中には癖の強いキャラも存在しますが、彼らもスピラを平和にしたいという思いは同じです。
彼らを守るためにもシンを絶対倒してやろうという気持ちになるでしょう!
名曲揃いのBGM

FF10の音楽は1~9まで作曲を手掛けてきた植松伸夫さんに加え、浜渦正志さんと仲野順也さんも作曲に参加されてます。
どの曲も素晴らしいクオリティですよ!!
「ザナルカンドにて」を始めとした切ない曲や神秘的なダンジョン曲、迫力あるバトル曲など実にバラエティ豊か!
劇中歌である「祈りの歌」も東洋風の聖歌として印象に残ってます。
オリジナル版は大半の曲がシンセサイザーによる打ち込みですが、曲によっては生演奏に聞こえるほどリアルな音色だと感じました♪
HDリマスター版では91曲中60曲のBGMがアレンジされました。
浜渦さんがアレンジを担当された曲は生演奏になったものも!
キングダムハーツシリーズのHD版と比べると癖が強いアレンジ曲が多いので好みが分かれますが、個人的にはアレンジ版も気に入った曲が多いです!
特に「萌動」や「いつか終わる夢」のアレンジは素晴らしい!
ボス戦とラスボス最終戦はオリジナル版の方が好きですけどね。
PS2版発売当時としてはトップクラスのグラフィック

FF10のグラフィックは、PS2初期に発売されたゲームとは思えないほど美麗です!
キャラクターのグラフィックは当時としてはリアルですし、背景も描き込まれた2Dとカメラワークを活かした3Dを上手く使い分けてます。
魔法のエフェクトや魔物を倒した時などに出る幻光虫のエフェクトもとても綺麗!
戦闘時のカメラワークも迫力がありますよ!
HDリマスター版ではテクスチャーが高解像度のものに差し替えられたので、さらに美麗なグラフィックに進化!
特にマップやモンスターはかなり綺麗になりましたよ♪
PS4版以降に発売されたリマスター版では、サブキャラクターの手のモデリング改善など、さらなるグラフィック強化が行われました。

プリレンダムービーの美麗さは実に素晴らしい!!
PS2版をプレイした当時、とても衝撃を受けました!
今見ても素晴らしいクオリティですよ!!
特に最初のブリッツボールの試合ムービーはとてもリアルなキャラと美しい水の表現、迫力ある試合や崩壊シーンに感動させられました!
ベベル突入シーンもお気に入り♪

本作は水の表現がリアルタイム、プリレンダどちらも美しいと感じました!
水専門のグラフィックチームがいたという話を聞いたことがあります。
ブリッツボールのスタジアムや海、湖など水がある場所が多いので、特に気合を入れたのでしょう。
とっつきやすいカウントタイムバトル

本作のバトルはFFシリーズおなじみのアクティブタイムバトルではなく、使用した技によって行動順が変わる「カウントタイムバトル」が採用されました。
使う技が強力であるほど、次の行動順が回ってくるのが遅くなります。
行動順は敵味方ともに表示されるので、強力な技を使用した後のことまで考えて戦う必要がありますよ!
リアルタイム要素がなくなったことは賛否が分かれそうですが、その分焦らずじっくりと戦略を練ることができます。
ゲームバランスも普通に進める分には良好!
序盤のザコ戦は基本的に相性を考えて戦えば楽勝ですが、中盤あたりからは通常戦闘でも強い敵が現れるようになります。
油断すればすぐやられてしまうでしょう。
ボス戦では「トリガーコマンド」が発生することがあります。
敵と会話することでステータスが上昇したり、機械を動かしたり、敵と距離を取ったりと様々です。
ギミックによって普段とは違ったバトルが楽しめるところも魅力だと感じました!
スフィア盤による自由度の高い成長システム

本作にはレベルの概念が存在しません。
「スフィア盤」というスゴロクのようなボードで各キャラを移動させていき、スフィアを発動させて能力を上げたり技を覚えるという独特な成長システムです。
基本的には対応したスフィア(消費アイテム)を使用することで、自分が今いるマスと隣のマスのスフィアを発動させることが可能です。
さらに「黒魔法スフィア」など、別のキャラが発動させたスフィアを発動する貴重なスフィアもあります。
これを利用すれば、普通に進めれば白魔法しか覚えないユウナに黒魔法を覚えさせたりできますよ!
全てのキャラが同じスフィア盤を使用しますが、キャラごとにルートが異なります。
普通に進める分にはストーリー攻略を想定したステータスに成長させられるので迷うことはありません。
しかし、「キースフィア」や「フレンドスフィア」などを使用すれば、別のキャラのエリアに入ることも可能です。
もちろん他のキャラが発動させたスフィアも発動可能なので、さらなる強化や技の習得もできますよ!
ただし、考えなく別のキャラのエリアに入ってしまうと中途半端なステータスになってしまうことも…。
最初から様々なルートを進めたいという方には、インターナショナル版で追加された「上級者向けのスフィア盤」もありますよ!
かなり自由度が高いので、序盤から自分好みのステータスに育てやすいです。
ただし、その名の通り育成の難易度が高いので、しっかり考えて進めないと中途半端なステータスになってしまいます。
初プレイの方は通常のスフィア盤を選択した方が良いでしょう。
豊富なやりこみ要素

本作には武器・防具の改造、召喚獣の育成、訓練所の制覇、最強武器の入手、ブリッツボールなど、たくさんのやりこみ要素が存在します。
訓練所のオリジナルモンスターやインターナショナル版で追加されたダーク召喚獣など、ラスボスをはるかに超える強さの敵もたくさんいますよ!
本編クリア後もやることはたくさんあるので、ボリューム重視の方も安心です。
問題点もありますが…。
不満点&気になったところ
PS2版の不満点が改善されていない

PS2初期のゲームだけあって粗い部分も多いFF10ですが、HDリマスター版でも不満点が改善されてません。
- イベント・ムービーのスキップ不可
- 戦闘時のターゲット選択がやりづらい
- 戦闘のテンポが悪い(Windows版では改善)
- 行動しなかったキャラにはAP(経験値)が入らない
- 異常に難易度の高いミニゲーム(後述)
- キャラの格差(後述)
PS2版発売当時はいわゆるムービーゲーがまだ少なかったのでイベントスキップ機能がなかったのは仕方がないとは思います。
しかし、今の時代の大作RPGはイベントスキップ機能が付いていて当たり前なので、HD版では追加して頂きたかったです。
(初代キングダムハーツのHD版ではイベントスキップ機能が追加されてました。)
特に終盤のボスは、バトル前のイベントが長い傾向があります。
ボスによっては初見殺し技があるので、対策を知らない初回プレイでは高確率で全滅し、また長いイベントシーンを見る羽目に…。
行動しなかったキャラにAPが入らないのも面倒でした。
キャラの入れ替えを楽しんでほしくてそういう仕様にしたのかもしれません。
しかしAPを得るためだけにその戦闘では使わないキャラに交代して防御させるだけというのは楽しさには繋がらないでしょう。
ザコ戦は大体3人行動すれば充分勝てるので、行動してないキャラにも入るようにして頂きたかったです。
キャラの3Dモデル(ハイポリ)はPS2版の方が好み
HD版ではメインキャラの3Dモデルが作り直されているのですが、HD版ではやや丸っこくなった印象を受けました。
特にティーダとユウナは個人的にPS2版の3Dモデルの方が好みです。
表情もPS2版と比べると固くなったと感じました。
元のモデルのテクスチャーを綺麗にするだけにして頂きたかったです。
プレイしていれば慣れますし、HD版が初プレイの方ならそれほど気にならないとは思いますが…。

ただし、あくまでイベントシーン用のハイポリモデルの話です。
PS2版はハイポリモデルはクオリティが高いのですが、ゲームプレイ時のローポリモデルがかなり粗かったのです。
(当時はブラウン管テレビでプレイしていたのであまり気になりませんでしたが)
ローポリモデルはHD版で綺麗に作り直され、アップにも耐えられるクオリティになりました。
特にルールーのモデリングは素晴らしい!揺れるし!
ストレスが溜まるミニゲーム

ストーリーをクリアするだけなら気にしなくて良いのですが、キャラを最強にすることを目指すのであればミニゲームを避けることはできません。
ミニゲームで良い結果を出さなければ最強武器を最大まで強化できないからです。
本作には様々なミニゲームが存在しますが、ブリッツボール以外は正直あまり楽しめませんでした。
難易度めちゃくちゃ高いんですよ。ホントに…。
ブリッツボールもワッカの最強武器強化やオーバードライブ技を習得するためには、気が遠くなるほどプレイしなければなりません。
「とれとれチョコボ」と「雷避け」考えた奴許さん!!
無駄に時間掛かるし!
HD版ではもうちょっと簡単にしていただきたかったです(泣)
作業感の強いやりこみ要素

やりこみ要素が豊富な点は良いのですが、作業感の強いものが多いです。
武器・防具の改造は、強力なアビリティを付けようと思ったらレアなアイテムを何十個も要求されます。
訓練所のやりこみは、「ほかく」用の武器でスピラ中のモンスターを何体も捕獲しなければなりません。
最強ステータスを目指すのであれば、ただスフィア盤を埋めるだけでなく、少ししかステータスが上昇しないスフィアを消去して、新たなスフィアを設置する必要があります。
最強の敵を倒そうとすれば、キャラ強化のために膨大な時間を費やすことになるでしょう!
僕はPS2時代、訓練所のオリジナルモンスターすら倒せずに挫折しました(汗)
やりこむ場合のキャラの性能格差

FF10は普通にストーリーをクリアするまでなら素晴らしくゲームバランスが良い作品です。
しかし、やりこめばやりこむほどキャラのステータスに差がなくなっていき、全員がスフィア盤を制覇すれば全員ほぼ同じステータスになります。
そのため、やりこむとオーバードライブ技の強さ=キャラの強さとなるんです。
強さを求めれば連続攻撃技があるティーダとワッカ、調合によるサポートが得意なリュック、強力な召喚獣がいるユウナ辺りが強キャラとなります。
一方で単発技しかないキマリ、アーロン(※)や、連続攻撃だけど一発の威力が低く、MAXのHit数を出すのがとても難しいルールーはやりこむと二軍落ちしがちです。
アーロンやルールーはストーリー攻略時はとても頼りになるんですけどね…。
※最後に覚えるオーバードライブ技は2Hitしますが、次のターンが回ってくるのが遅くなるので割に合いません。
インターナショナル版以降はやりこまないと覚えられなくなった点も残念です。
まとめ

- 切ないストーリーが好き
- 東洋風の世界観が好き
- リアルタイム要素の少ないバトルが好き
- キャラをとことん育てるのが好き
- ムービーゲーが苦手
- 一本道なゲーム進行が苦手
- ゲームテンポの良さを求める
昔のゲームゆえの粗さはありますが、それを差し引いても凄く楽しめました!
特に綿密に練られたストーリーには引き込まれましたよ!
ティーダとジェクトの関係やユウナの覚悟には感動させられました!
ストーリーを重視する方はもちろん、東洋風の世界観が好きな方やわかりやすいターン制バトルが好きな方にもオススメの作品です。
イベントシーンがやや長めなところは好みが分かれそうですが、RPG好きの方には是非プレイして頂きたい傑作です!
PSVita版以外のリマスター版ならFF10-2も付いてきますよ!
プレイ時間:38時間
個人的評価:S
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